LAKLAND 4-94 Classic

どんなベース?
 03年入手。これまた最近出番がないベースを2本下取りにして買いました。これは何年製か店員から聞くのを忘れまして、いつのベースだかわかりません。シリアルナンバーがどこにも表示されていませんので…と、思ってたら、なんとヘッドの側面に小さく刻印されているではありませんか!559と。LAKLANDのシリアルナンバーの資料によると2001年製ということになります。ボディの塗装が全くの無傷なので一見新しそうですが、ピックアップの表面や、腐食しやすい素材の金属部分の痛み、そしてメイプルネックの裏やローズウッド指板の薄汚れから見て、割と初期の作品ではないかと思っていました。が、使用頻度ですぐ汚れる部分でもありますね。
 このClassicというサブネームの付いた製品はボディの材がアルダーで、オールドのサウンドを狙ったタイプなのだそうです。ただし不思議なことにLAKLANDの本国サイトのカタログを見ると、通常のClassicのピックガードはこのベースのものとは形が違うんです。

 色はまたまた白系に鼈甲柄ピックガードです。オリンピックホワイトにしては黄色っぽすぎるし、木肌が透けてないのでブロンドとも言えない、どう見ても「ただのクリーム色」であります。塗装膜はかなり厚めだと感じます。先にも書きましたとおり、無傷なので新品同様の塗装面です。前のオーナーはすごく慎重に物を扱われる人だったんでしょうね。これに薄めの縞木目ムラのあるローズウッド指板がまた最高の相性なんですね。結局このカラーリングでまた買っちゃったようなものです。好きなんですよね、R&B臭くて。
 実は、以前にFoderaをオーダーしたときもこの配色にしたのですが、唯一「ない」ということであきらめたのがクローム色のハードウェアです。だからあれはゴールド。ちょっとゴージャスなので「渋さ」という点で完璧ではありませんでした。でも、このLAKLANDは見事にクローム装備でなんの文句もございません。
 ところで、私の一番の驚きは大きめのドットポジションマークなんですね。右の写真でわかるかどうか…これ、バーズアイメイプルなんです。地味めで一見して高級感が伝わらないことでいつも損をしがちなLAKLANDですが、出来が非常に良いことでは業界で有名です。どこが?という問いに見事に答えている部分ですね。加えて、この細めのフレットのエッジ処理が見えますでしょうか?ホントに丸く研磨してあるんです!こんなベース他に見たことない!(あるんでしょうけど私はまだ会ってないのね)ちなみに、ネックはメイプル3P、ローズ指板はスラブ貼りでした。わかっていらっしゃる。

 目を惹く大きな楕円形のブリッジは鋳造ではなく鉄板プレスのメッキ仕上げだと思います。サドルはスティングレイのそれに似て太い円筒形で、これはステンレスの削りだしです。弦は裏通しとブリッジエンドの二通りの止め方が選べます。買ったときに張ってあった普通のダダリオは裏通しだったので、家に帰って張り替えたDRも裏通しにしてみました。テンション感は別段きつくもないと思います。ただ、新品DRのようなハイファイ弦は相性合っていません。アルダーだからでしょう。もう少し渋めな鳴りの別の弦が良いみたい。

 エレクトロニクスについて。ピックアップはバルトリーニで、フロントにJタイプ、リアにMMタイプという変則配置。今はこのような配置のベースは他にも出て参りましたが、このLAKLANDがたぶん(?)元祖です。これにプリアンプは専用バルトリーニNTMB-Lを組み合わせてあります。このプリ、かなり気に入りましたよ。キャビティ内には小さな2連ディップスイッチがあり、ミドルのコントロール周波数を250,500,700,850Hzの4つから選べます(普通のNTMBは250,400,500,800Hzだったような)。この機能は便利ですね。また、ボディトップにはセレクタースイッチもあり、これはMMタイプのピックアップのコイルタップだそうで、この1つのピックアップをシングル2種(前寄りか後寄りか)およびハムバッカーのいずれかとして使える機能です。ここらの細かいコントロールを利用するとかなり多彩な音作りができます。JJの音も、スティングレイのような音も、はたまたPJのように聞こえる音も狙えるとか。ただし、私の印象ではボディがアッシュとかならその多彩さが活きたかもしれないと思いました。このベースの場合アルダー材のカラーが強くて、プリでどういじっても渋い音しか出ませんでした。だから私の場合、普段はJJ配列にしております。そうすることでこのベースはオールドジャズベースに近い使い方ができると思います。 曲によりもっと音ヌケが欲しい場合リアのMMのみにしたりしますね。フロントJは確かにJなんだけどモロPそのものといった重くて粘っこくて辛口の音が出るので、単品で使うと今どきは浮くかな。かなりR&B風味ですね。
 ちょっとうれしかったのは、リアパネルを固定するねじのねじ穴が真鍮のアンカーナットだったことです。ほとんどの場合、木ねじをボディ材に直止めしてあるので、いつかヘマして馬鹿にならないか心配なものです。ささいなことですが、こういうところもハイエンドらしさだと思いますよ私は。
 

サウンドは?
 まだ新しいのか、塗装が厚いせいか、生鳴りはちっとも大きくありません。最初こんなんで大丈夫かぁ?と思いましたが、出音はしっかりしています。ぱっと見できっとFoderaっぽい音なんだろうなと思っていましたが、かなりかけはなれていました。それとはすなわちルックス通りのサウンドでした。あまりに立派な古臭いアルダーサウンドそのものでした。スラブローズ指板との相性でしょうが、やはりFenderっぽさを感じます。しかも驚くほど60年代のJazzBassの雰囲気がむんむんです。こんなに「それ」らしい音色のベースだとは思っていませんでしたね。へたなオールド買うぐらいならこっちのほうが安定している分、安心感があってぐ〜かも。ちなみに、リアだけにしてもStingRayぽさはあまり感じません。アルダーのStingRayという経験がないからだと思います。
 バルトリーニは甘いサウンドだという評判をよく耳にします。わたしはこれが初体験でしたが、確かに倍音豊富とは思えません。EMGのような鮮やかなハイエンドの切れ味は感じません。そのかわりローミッドのスイートでぶ厚い響きに特徴を感じました。しかし、その明確な個性はいまだによくわかりません。なんせアルダーの音ばかりしかしないのですから。ブンと鳴ってペッと鳴る。まさに疑似「枯れた」サウンド。4-94Classicよ、やりすぎだよ(笑)。演出しすぎだって。これじゃ、使えないジャンルがあるでしょうね。でも60年代っぽい音をローノイズ(というかノイズ無し)で安定して大出力で出せる魅力は大きいし、用途も多いでしょう。昔のどっしりしたチョッパーとか、こてこてのファンクを演りたくなってしまいますね。弦はニッケルか、ステンレスでもフラット弦が合いそうなんだけど…、そうだ!次はフラットにしちゃおう!

ありゃ〜似てるよこいつら…。

後日談1

 というわけで、フラット弦に張り替えました。購入時の死んだダダリオ(XL165だと思う)の粘っこいローミッドは相性的に悪くなかったのですが、ハイが全く無いのと弾力感の失せたタッチが嫌でした。死んでる弦を知っててしかたなく使うのも精神衛生上なんかねぇ。そこで、先述の通り、たまたま買い置きしてたDRのLo-Riderに張り替えたところ、これが180度性格の違う弦でして、鮮やかでハリの強いブライトな音色に軽量アルダーボディが呼応しなくなりました。カラカラとしたステンレスサウンドのバズも目立ちます。いかん、弦が勝っている。こういう弦は重めのアッシュボディでビシッと受けとめてやった方が良いんです。相性が悪い!しかも弾き心地まで合っていない。ステンレスのざらついた手触り。裏通しで硬〜いタッチがざらつきをよりいっそうひきたててましたね。そんな時、以前のフラット弦を張って調子が良かった軽量のプレベのことを思い出しました。こりゃフラット張るしかないと。徹底的に探した結果、裏通しで張れる数少ないフラット弦の中から私はKenSmith製SLIK ROUNDを選び出しました。

 SLIK ROUNDは正確にはフラットワウンド(リボン状巻線で造られたフラット弦)じゃありません。ダダリオのハーフワウンドに相当するタイプで、ラウンドワウンドの表面を削ってフラットにした弦です。このタイプの特徴は一般にフラットワウンドよりソフトでブライトであることです。
 いざ張ってみるとLAKLANDに裏通しでぴったりの長さでした。同じく裏通しのCelinderの国内販売時に張っている弦もKenSmith製だとか。むしろ普通の34inchだと飾り糸部分をかなり切らねばならないほどで、そもそも35inch位にフィットするように造られているのかなと思いました。飾り糸の色も濃い紫色で私のブロンドのベースにはよく似合っております。
 左手の感触は、きっと元は45〜105のニッケル製ラウンドワウンドだからなのでしょうか、独特のやや細いゲージ(44,62,77,103)もあいまって通常のフラットより柔らかい印象をうけました。それにシャンとした弾力が良いです。他のステンレス製フラット弦はバチンと硬くハリが強すぎて気持ちよい弾力という感じではないものです。その分をパンチのある音で聴感上フォローしているようですが、右手指の負担はかかります。
 音も個性的でとても気に入りました。しかし今までのラウンド弦の時のセッティングのままでは、どうも4弦だけやや倍音が少なく遠い音に聞こえました。ちょっと音程感やパンチに欠けるかな。そこで、4弦側のピックアップの高さを普通の弦の時より上げました。リアピックアップは特に近づけて高い倍音も拾うように。その結果、俄然バランスが良くなり4弦のコクが活きてきました。3〜1弦はいつも通りのセッティングでいい感じです。生音ではフラットワウンドよりやや明るい音色だと思いました。これはハイが目立つという意味ではなく、音色の雰囲気の表現です。ハイは根本的にほとんど無いような種類の弦ですからね。フラット弦のキモはとにかくローミッド。この弦もアンプ出しではファットなローミッドがアルダーサウンドと共に腰に響きます。普通のフラットワウンドよりマイルドで暖かみがあります。それでいて良いフラット弦の条件であるアタック時の音のアルデンテな感じ(?)がしっかりしています。例えばフィルインで4弦をハイポジから一気にグリスアップしちゃったりするともう最高です!また4弦の開放はかすかにフェイズがかかったようにも鳴ります。これは太いニッケル弦特有の倍音成分だと勝手に思っていますが、こんな弦でも無いようで少しは倍音出ているもんです。これでなかなかアコースティックな感じがするからフラットって好きですね。

後日談2

 現在はフラットではなく、エリクサーを張っております。フラットサウンドではなくラウンドサウンドが必要な出番があったから貼り替えて使用し、それ以来そのままです。エリクサー自体はたいして良い弦だとは感じませんが、このベースとの相性は悪くないようです。
 本当はもっと相性良い弦がきっと他にありそうです。ビンテージベースに好評な現代の弦というのがあるでしょう?例えばブーマーとかアーケイとかはたまたトマスティックのラウンドetc…あるいはレイクランド純正という手もありますよね。そういう物の方が合うんじゃないかなぁと想像しておりますが果たしてどうでしょうか…。

追伸 13年11月吉日、お嫁に行きました。お幸せに。

インプレッション目次へもどる