Fender Japan JB75US/FC

 07年製。フェンダージャパンのジャズベースです。とやかく言うベースではありません。私の所有機の中じゃ最も廉価です。しかし、はっきり言って最近の廉価版といえば中国製か韓国製でしょう。今や日本製はクオリティだけなら廉価レベルとは言いたくない時代ですよね。

どんなベース?
 通常JB75というのは75年モデルという意味なんでしょうが、このモデルは限定的なスペックのようで、ルックス的にはミックスされた「いいとこ取り」仕様になっています。企画としては絶賛したいですよ。個人的には75年のスペック再現って全然好きじゃないのです。だからこのベースは一目惚れ。75年らしくないですからね。75年らしい所はつるっとしたブリッジのコマと、ネックジョイントのマイクロティルトアジャスト内蔵の3点留めぐらいです。1弦側に付けられたフィンガーレストは弾きにくい位置ですけど60年代風でかっこいいんです。写真には写ってないのですが本当はピックアップフェンスとブリッジカバーも付属していまして、そしてキモはなんといっても白のマッチングヘッド!これが衝動買いの決め手でした(笑)。ヴァーダインだってマッチングヘッドじゃなかったんだぜ!(ただ奴はPUが白かったりする…)というわけで、歴史上ありえないとはいえ文句のないセンス抜群のスペックの組み合わせだと思います。
 造りの方は工作精度はどこもなんら問題ないように見えます。でも細かい部分を見るとやはり値段相応でして、特にナットの整形などは最低の工作です。指板のローズウッドも目の粗い材です。ボディはアルダーのような軽いアッシュですが、スワンプアッシュとはアナウンスされてません。でもなんであれ廉価版らしい分厚いべた塗り塗装により材質もへったくれもない感じです。
 それでもネックだけは現状で合格点を与えます。このベースの場合は某K楽器店の渋谷と新宿に在庫があり、その両方を試奏したのですが見事に個体差がありまして、私が選んだのは新宿のネックでした。この歳になると反りそうなネックってわかる時があるのです。
 まぁでもトータルで評価すればちゃんとできてますよ。弾くとわかります。むしろUS製普及版やメキシコ製より律儀に作ってあるんじゃないでしょうか。

サウンドは?
 ジャズベースってトレブリーでヌケが良いとか言う人がいますけど、プレベと比べてギブソンと比べてそう言ってるのかもしれませんけど。私は全然そんな印象は持ってないんですね。オールドのすんごい名機に出会っていないとか、トレブリーな個体に出会っていないという経験不足な問題点はあるとは思いますが、でも実際に今までの経験した数本ではボディがアルダーでもアッシュでも「レコードで聴ける無個性でいかにもベースらしくて音程の聴き取りやすいベース」それが私のジャズベースの印象なんです。あ、指板だけはローズウッド限定の話です、メイプル指板のは話は別ですよ。指板材って音に与える影響大きいですよ。
 で、そこから先は個体差の問題で、例えばアンプのキャビの鳴りとかガツンと来るかどうか活きが良いかどうかが違う程度のことが多いんですけど、実はそこで満足か不満足かきっぱり分かれると思うんです。しかもこの手の量産パッシヴベースほど音には個体差があるんです。材の当たり外れによるトーンのムラの問題かと思うんですけどね、コスト上しょうがないですから。私が弾き比べて新宿の在庫を購入したと書きましたけど、ネックばかりでなく音もはっきりと違うものでした。同じ部品のベースなのに。渋谷の個体はとにかくフラットで面白味も快感もないのっぺりした音だったのです。私のベースは何の変哲もない実にオーソドックスなジャズベースの音がします。でも不満のない音ですね。ボディ中央がバーンと鳴る気持ちの良い音です。軽いアッシュボディの当たり性とネックの接合精度の賜物でしょうね。

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