個人的愛用コンプの一例

APHEX Model 1404 "Punch FACTORY"

 コンパクトコンプ界の新横綱登場

 私は詳しくないのですが、APHEXはスタジオ仕様アウトボードの有名なメーカーだそうです。友人によると、「ソリッドステートでプリアンプ、コンプ・リミッタ−、エキサイタ−を中心に作ってる高級スタジオ機器のメーカーです。エキサイターと言えばBBEというメーカーがありますがレコーディングではAPHEXが良く使われているみたいです。」とのこと。 そんなよく知らないメーカー製で、しかもこのルックスですよ(笑)。ショーウインドウにあったって、全く興味が湧きませんでした。あやうく見過ごすところでした。
  手にとってまず気になったのは、DIとして使えることです。DIとして使う人は何人いるかわかりませんけど、こういう製品は往々にしてスタジオクオリティを有し、ヘッドルームが広いことが多いんです。実際、聴感上レンジもまんべんなく広めです。ノイズに関しては実用上問題ないレベルまで低く抑えてあり(S/N比はたかだか70dBとのことですけどね)、動作的にも非常に安定感があります。
 ユニークなのは電源。普通の9V電池が使えるのはもちろん、ACアダプターの場合ナンでも使えると言っては乱暴ですが、6×2mmの端子ならセンター+の9Vアダプターじゃなくても良いとのこと。なんですかね、そういう仕組みは。さっぱりわからないのですが、エフェクター業界においては画期的のロジックですよ。ちなみにハムもありません。お見事。

 裏面にはありがたいことにパッシヴかアクティヴかを切り替えられるスイッチがあります。お使いのベースがアクティヴの場合、トーンブーストしたりするとコンプが歪んで使い物にならないことは大変多いものです。そこで、例えばCOMP-1には入力に可変抵抗(ボリュームですね)がありまして、入力音量を任意に下げる簡易作戦で乗り切ってます。けれど、このAPHEXのスイッチはもっと単純かつ根本的で、アクティヴ側にしますと入力インピーダンスが即スパッと切り替わります。このスイッチの効果は絶大で、アギュラーOBP-1フルテンでも一切歪むことはありません。例えばEBSにも似たスイッチがありますが、あれとは違ってどんなアクティヴベースを挿しても問題なく使えるようになります。ホントにすごいです。
 ただし、かなり大幅に入力インピーダンスを切り替えますので、簡単に言えばオンオフ問わず音量もかなり小さくなりますから、少し問題が生じてきます。オンの時は本機のボリュームを上げていれば全く問題ないのですが、バイパス時にはボリュームが作用しません。つまりオフの時のレベルが小さくて使い物にならなくなります。このコンプの唯一の欠点はそこです。もちろん、かけっぱなし専用と割り切れば全く問題ありません。パッシヴ側では当然この問題ありません。だから、もしあまりパワーのないアクティヴベース(そういうのもあるのだ)の場合、歪まなければパッシヴ側で使ったほうが良いと思います。

 コンプの味としては、さすが光学式だけあって割と原音重視型だと思います(正確には微妙に太くなります)。しかし、本機の魅力は実はその自然さではなく、強くかけたときのサウンドにあります。通常どんなコンプも強めにかけるとアタックがゆがみ、リリースばかり延びて、ヒスノイズが増幅され、実にエグくなるものですが…、ところが本機は今までにない解釈を感じさせます。4〜5/10以上あたりから、基音を歪ませることなく輪郭にバリが出てガッツある音に変わっていきます。嫌みじゃないのです。ハイは潰れることなく、硬くシャープになります。ローも輪郭が崩れることなく音量がまとまり、図太くなります。ローがタイトになるコンプが嫌な人にはぴったりだと思います。これは常時使えるベースの音です。強めにかけることが出来るメリットとして、音の粒立ちはすこぶる安定しますし、2フィンガーとスラップのレベルもきれいに揃えることが出来ますが、ベースとしてのニュアンスの抑制はわかりにくく考慮されているようです。巧いです。私はいつも6〜8/10ですよ!こんなセッティングでつかってたことなかったです。もう見事としか言いようがありません。 きっとアクティヴベース事情がよくわかっている人が作ったのではないでしょうか。

 おまけ程度ではありますがLEDメーターがついていたり、 少ないつまみで効果ははっきり出るので設定が非常に簡単だったり、 US製(部分的に雑なアメリカンでもあるが)だったりと、あらゆることを見計らっても実売16800円は安いと思います。今、3〜4万払って高級機買う意味はないでしょうね。 MC6もいいけど、電源でこちらが勝ちかなぁ。そういうコンプです。


こんな意味ねーLEDでもちょこっと点けば萌えるものさ


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