個人的愛用コンプの一例

ROOT20 mod. MXR SUPER COMP

 ROOT20は知る人ぞ知る東京の名エフェクター工房です。

オリジナルMXR製のdyna compなら人気はありますが、ジムダンロップ製でしかも現行でさらにSUPER COMPとあっちゃ、誰か使っている人います?不人気ですよね。どう聴いてもスーパーな音じゃないですからね。SUPER COMPはdyna compにアタックコントロールを増設しただけという説明文をちらほら目にするのですが、それを信じてdyna comp mod.で定評のあるROOT20さんに同様のmod.を安易に依頼したら、中身は全然別物だったそうです。蓋を開けたらこりゃ同じようには出来ないと。でも結局、私のわがままをきいて頂き、ワンオフのSUPER COMP mod.を作ってもらいました。 依頼して約1ヶ月、全パーツを律儀にバラして計って(電気的な何かを。私がわかるわけない。)それをもとにフルチューンしたもよう。ありがたいです…。
チューン内容は、
・アクティヴベースフルテンでも歪まぬこと
・アクティヴベースのワイドレンジにて使えること
というわけで、
世界で唯一個の「アクティヴベースで存分に使える」SUPER COMPが完成しました。一作目なのでほぼ試作機のようなものでしょうが、前作(dyna comp mod.や、H.B.E. ComPressor Retro mod.)を開発したノウハウが生きているせいか、これがいきなりいい!「不満点があったら言ってくれれば手直しします」とのことでしたが、ROOT20さすがです、現状不満点が無いです。
不満点ではなく難点としてはノイズがもともと多い製品ではあると明記しておきます。ONにしただけで微少ながらノイズがあります。SENS.を10時以上に上げると次第にノイズも増幅されてきます。12時以上ではかなり目立つはず。しかしこの原始的なタイプのコンプはどこの製品であれ、このノイズは直せないので不満点としません。ノイズは絶対無いほうが良いとは思いますが、もとのMXRのコンプがその程度の製品と承知して使っております。ベース単独Hi-Fi録音でもなければマスキングされるノイズでもあると思います。

このSUPER COMPに限らず、 ROOT20のモディファイコンプの音は一貫しています。
全域が大きな滝の流れような抵抗感の無い出音。音像は鮮明になり、これにより鋭く感じられます。
簡潔に言うと「ドーン」と出て「ズキッ」とします(わかるかなぁ?)。概ね、どの製品をモディファイしてもらっても、この傾向になります。
コンプレッションは製品の持ち味のまましっかり作用します。おそらくその辺は素の回路を大きく変えたりはしていないと思います。稀にある、かかっているかいないかわからないような薄味製品にはなりません。ただし入力段階で過剰にならない仕組みのため、アタックは強く潰れることはありません。

ところが私のようにコンプ男塾生になると(なんのこっちゃ)、時に、音楽演出上、古くさいコンプの音が欲しくなります。そのようなときにこそ、今回のSUPER COMPのアタックノブが最高の威力を発揮します。
例えば、同様にアタックノブを備えたK&R Groove Compをご存知でしょうか?あのアタックノブをどう回しても、さほどアタックを押さえ込んだ音にはならないんですね。それはそのコンプの味付けの問題であって文句はないんですよ。原音重視型コンプという範疇では、アタックノブが露骨に効く製品はコンセプト上ほとんど設計されないでしょう。そりゃそうだ。一方、普及品コンプという範疇では、アタックノブが付いていれば、強力に頭を押さえ込むような製品ばかりなんです。この不自然さを利用してみたらどうだろう?と思ったわけです。

そこで思惑通りに仕上がったこのSUPER COMP mod.です。
アタックを開ければいつものROOT20得意の音、アタックを絞ればワイドレンジなままにアタックの圧縮音を強調した微妙に古くさい印象の音に。
これがいい。
全体では抵抗感が無いドーンと出る音の割に「パッツンパツン」します。いわゆる世間で言うところの「パコパコ」というやつに近くなります(正確にはパコなんて鳴るわけじゃないですよ!表現上。)。通常パコパココンプはローもぺったんこのはずですが、アタック以外は犠牲にならないありそうでなかったコンプとなりました。実際はどのノブも好みの位置が決まったら動かしませんけどね。

足下にSUPER COMPを置いているベーシストなんてまずいませんから、これでいい音が出てたらへそ曲がり的にはかっこいいかな。一応MXRではあるし、小さいし。


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