ヴァーダイン・ホワイト一人後援会

いよいよヴァーダイン・ホワイトの後援会頁を一人で作ってしまいました。どこがって?まだ全然ですが、これから徐々に作っていきたいと思います。

ちなみに、正しいネイティヴな発音はヴァーダインではなく、「ヴァーディーン」であります。そう書いてもよかったのですが、誰のことだかわからなくなりそうだから、あえて日本で定着している表記名にならっています。初めにそう書いたメディアが悪い。

スクロールダウンして見てください。

ヴァーダインのベース遍歴

デビュー〜'72年:上の写真のブロンドカラーの初期型プレベ

これについては簡単に推測すると、いわゆるOPB(オリジナルプレシジョンベース)です。ただし時期的に'68〜71年製であろうかな?50年代製OPBを使っていたとは時代的にあまり考えられないと思うんですよね。配色とピックアップタイプから'68年あたりのテレキャスターベース初期型というのが私の説。ネック裏にスカンクラインが見え、ナットの上にも埋木が見えます。合ってるのかな?自信は全然ありません。(特にFenderフリークじゃないので資料とか探す気まったくありません)なお、友人のZZさんがご自身のサイトの中でOPBについて非常に詳しく述べてますので参照あれ。
またこの他に'72年あたりのテレキャスターベースにリアJのピックアップと風変わりなコントロールパネルを装備した謎のベースの写真もありますが、演奏シーンを見てないのでなんとも言えません。下の写真です。白いジャズベース導入直前に親会社(CBS)からつなぎで支給されたステージ用カスタムモデルと考えるのが自然ですが、使用期間はとっても短そうです。

さて、そのつづきです。

'73〜82年頃:トレードマークと言われている白いジャズベース

'78年:クレイマーのアルミネックをセプテンバーのMVで演奏

'80年代:ナチュラルのヤマハBB2000(白いBB3000もあるはず)

'90年代:ピーヴィーのルディ・サーゾ・モデル(!赤い奴。案外似合う。)

'90年代後半来日時:赤いヤマハのモーションベース(安物なのに…)来日時のレンタルではないか?

'90年代末以降:オレンジのヤマハTRB4

サドゥスキーのPJピックアップ&メイプル指板のブロンドカラーのジャズベース・タイプ

アイバニーズVWB1(最初型プレベをイメージしたと思えるブロンドというかわざと日焼けしたようなクリーム色ベタ)

とまあ色々ありますが、「顔」と呼べるのは最初の2つ。かつてのレコードで聴けるのはほとんどこの2本でしょう。初期の音源でベースサウンドが暴れ気味にドライで太い時がありますが、なるほどあれはメイプル指板の鳴る初期型プレベのハードピッキングだったとは。はじめからジャズベースじゃなかったんですね。

ヤマハBBはひょっとしたらフェイセスあたりの音がそうかもしれませんが確信はありません。90年代前半は赤いピーヴィーを最も愛用していたようですが、来日すると必ず赤いヤマハを弾いています。レンタルなのでしょうが、はっきりいってこれっぽっちも似合ってません(もっと良い楽器を貸してやれなかったのか?)。ここ数年はオレンジのTRBが完全なメインに成り代わっています。スローな曲でたまにサドゥスキーに持ち替える程度。アイバニーズは自身のシグネイチャーなのですが、実際はあまり弾いていませんね。これ以外にもほんのちょっと使っただけとか持っているだけというベースは数知れず存在するそうです(Sonicの話が有名ですね)。ちなみに近年のレコーディングで何を使っているかなんてことはさっぱりわかりません。

往年の白いジャズベースは何年製か?

ヴァーダイン・ファンなら誰もがあこがれたあのかっちょいい白いジャズベース。宙に浮いた歴史的ベースです。同じ時代の物を自分も手に入れたいと思うのがファン心理というもの。では、あれはいつのジャズベースなのだろう?同時代の同仕様製品の探しかたを考査してみましょう。

都合良いことに、フェンダー・ベースというのは毎年仕様が変わっているわけではありません。つまり、あの白いジャズベースと同仕様だった生産時期は絞り込められるのです。

さて、そこで、何年製かわからなくても完全同仕様ならいいかなぁと考えてみます。特徴は以下の通り。

ブロック・ポジションマーク

ネック・バインディング

スカンクラインの無いメイプル・ネック

CBSロゴ

トラスロッドのアジャスターが見えない

フィンガーレストが1弦側にある

4点止めボルトオン

ヘッド裏にストラップピンがない

ブリッジのコマがスパイラルではない(交換の可能性はあるが)

音色やボディ背面の塗装剥げ部分の印象からアッシュではなさそうである。つか、もろ、アルダー臭くないか。

以上の特徴は'68後期〜73年製にみられる。(と思うけど自信はないです)

次に文献資料を調べてみました(といっても信頼性の薄い雑誌記事)。一般的に有力なのは'69年製説であるとか。きっと写真などの証拠があるのでしょうが、私はそんな写真一度も見たことないです。'69年撮影の証拠写真があれば問答無用の決定的ですが、それはEW&F結成前だから苦しいのですよ。しかもフェンダーは当時から安物ではないのです。兄貴やジム・ブラウンが買ってくれたのならわからんでもありませんが、この当時最新のベースはメジャーデビュー2年前に19才の坊やがおいそれと入手できるものではなかったでしょう(家は医者ですし、現にOPBを持っていたんだから可能性は否定しませんけど)。ま、写真云々の他にインタビュー証言がありそうな気もしますが、これまた私は運悪く知らないのです。

映像資料ではどうでしょう。初期のライヴ映像を見て驚くのは、ヴァーダインは初期のOPBを弾いていることです(上記の通り)。しばらくはこれがメイン・ベースだったようですね。色はブロンドでホワイト・ピックガード仕様、メイプル指板です。その映像に写っているメンバーは既に黄金期の面々でして、すなわち'73年以降ということに。たぶん'73年ずばりでしょう。すると、あのジャズベースはこの時期の後に使い始めたことになります。デビューが'71年ワーナーですが、'72年にコロンビアに移籍して、以後がCBSレーベルからの発売となると、移籍以降に新品でCBSロゴ時代のフェンダーを使い始めることになったと推測するのもアリでしょう。'69年に買っておいたが'73年まで使ってなかったなんて考えは無理がありましょう。というわけでそこで新品入手したならたぶん'72年前後製の在庫品、出来たてなら'73年製のはず。絶対に'74年製以降の仕様ではないのでイイ線いってると思うんですけど(笑)。

しかし…

結局、確証は得られていないのでわからないのであります。本人にきけ。(きけるか)

さて、

もし同年代仕様のベースを入手できてもひとつだけ加工しなければならないところがあります。ピックアップカバーの表面(1面だけ)を白く塗らねばなりません。ヴィンテージのオリジナリティに付加価値を見いだす輩にとっては、かなり勇気がいることです。できないかもしれない。でも塗れ。ヴァーダインになるにはピックアップは正面だけから見て白くなくてはならないのであります。ディマジオ製の全面白いピックアップに変えてもダメ。側面は黒のままにせねばならないのでありますよ(なんで)。オリジナルピックアップが惜しかったら、他社製のピックアップを使ってもまあいいかもしれませんが、自分に嘘をつくのもどうかな。

余談

'82年のライヴ映像では白いジャズベースを弾いているのですが、背面になんとバッテリーボックスの蓋が見て取れる。そこ以外は隅々見るほどに往年の一本のルックスと全く違わない。どうやら晩年はアクティヴに改造しちゃったのかもしれないと思えるのです。あるいはそっくり仕様でライヴ用にもう一本(または何本も)あったのかもね。うん、そう考えるほうが自然ですね。

アース・ウインド&ファイヤーの2002年公演を観て

 2002年11月29日、またまたヴァーダイン・ホワイトを観て参りました。でも今回は彼が目当てではありません。

 なんと今回はモーリス・ホワイトが復帰しました。不治の難病だった彼が療養に専念していたのは知っていましたが、まさか克服してステージに立つとは!あまりのうれしさに、激高チケット(全席\10,000也)も快気祝いと思いつつ、東京国際フォーラムの二回席に走りました。それにしてもこの会場の二階席はステージが遠い。傾斜をきつくして前の人がじゃまにならない配慮はいいのですが、なぜ二階に行くのに長〜いエスカレーターを3回も乗らなくちゃならんのでしょうか。念のため持参した10倍の双眼鏡が役に立ちました。

 曲はお約束の「In The Stone」から始まりました。やせたモーリスが歌っています。涙。声は充分出ていました。6年前のラスト・ステージの時の方が弱々しいダメ声でしたね。見事な復活です。そりゃ全盛期の活力はありませんが、病み上がりなりにがんばっていて楽しく観られました。さすがに彼の出番は数曲にとどまり、出たり引っ込んだりを繰り返していましたが、それでも途中のカリンバ・プレイはばっちりこなし、腰を左右にスイングさせるグルーヴのとり方も健在でした。90年後半の流行の緩いスーツを着て太っていた頃の動きよりずっとすてきでした。

 バンドではついにシェルダン・レイノルズの姿が消えました。彼のギターのカッティングは独特のゆったり感があり音色もソフトで、全盛期のEW&Fのアル・マッケイジョニー・グラハム、あるいはローランド・バティスタのようなキレ・迫力に欠けていましたが、そのかわりメロディアスで「That's The Way Of The World」のソロなどはすばらしい物がありましたし、ジョージ・ベンソンばりのスキャットを上手く取り込んでいたように思います。そしてなにより、ヴォーカリストとしての彼はモーリスの声質にフィットして立派な存在でした。前回は私の好きだったドラマー、ソニー・エモリーの姿が無くて悲しくなりましたが、EW&Fはまた変化を続けていくのでしょう。
 さて、その他にはほとんどのメンバーを一新しての公演でした。ギタリストはなんと若手二人となり驚きました。あと、私の嫌いなヴォーカルを聴かせる巨漢のキーボーディスト、ロバート・ブルッキンズは今回も参加でしたが、モーリス・プレジャーが不参加だったため、彼がプロデュースも手がけているとのことです。プレジャーの洗練されすぎた感は薄まりましたが、目を見張るプロデュース能力は感じません。地味ながらしっかりしていると思います。その一方、ホーンズはおなじみの3人が定着してEW&Fらしいバリバリの旋律を轟かせていました。この3人が変わったらEW&Fらしさはなくなってしまいそうで怖いです。

 おまちかね、ヴァーダインですが、相変わらずやってくれています。兄貴は弱っても10歳年下のこの元気のいい弟のパワーは衰えていません。前回はツインベースによるベースソロ(下記参照)に度肝を抜かれましたが、今回は早々前半にある曲中でのベースをフューチャーした所があり、いやー暴れてましたね。ベース弾きながらついに客席に乱入しちゃいました。一階左側のお客様大興奮。うらやましすぎる!そしてステージに戻るとさんざん飛びはねたあげく仰向けに倒れて演奏。私の隣の客は「い、今のはいったい何の曲だったのだ!?」と唖然としてました。君ぃ、あれは曲じゃなくてまさに魂そのものなのだよ!世界唯一にして史上最強のSOUL BASS健在。90年代を通してベースソロのないヴァーダインでしたが、新世紀に入ってからは毎回彼のソロが楽しみになりました。
 ちなみに使用楽器はおなじみオレンジ色のヤマハTRB4と、おそらくサドゥスキーではないかと思えるブロンドカラーでPJピックアップのジャズベース・タイプの二本(注:後日確かにサドゥスキーと判明。サドゥスキーのサイトに載っているので。)。ジャズベースタイプはスローな曲やメロウな曲で使用していました。前回使用のアイバニーズのヴァーダイン・モデルは一曲も登場しませんでした。全体に重低音ばかり強調された音作りがなされていて(ヴァーダインの意向ではなさそうだが、不平も言っていないと思う)、やたらブーミーに会場全体を地鳴りのように揺すぶっていました。良く聴くと時折トレブリーなオブリが聴けてほっとしましたが、今回はフレーズ的には音程がはっきりしないのでファンとして問題だと思いました。もしかして東京国際フォーラムの二階席だとこんなもんなのでしょうか。

 最後に、モーリスとヴァーダインが兄弟仲良く肩を組んでステージの袖に去っていった姿は微笑ましい光景でした。ちなみにこの日は東京公演最終日だったので、アンコールにすぐ出てきて一曲だけ演ってまたすぐ帰ってしまい、たちまち会場の電気が点灯してしまいました。やっぱりな、がっかり。皆様、理由は省略しますが、コンサート行くなら最終日はできるだけ避けた方が賢明です。

アース・ウインド&ファイヤーの2000年公演を観て

 2000年9月27日、過去のこのコーナー「君だけが好きなベースプレイヤーたち」で既に紹介したあのヴァーダイン・ホワイトを観て参りました。

 私はアース・ウインド&ファイヤー(以下EW&F)のコンサートに行くのはこれで4回目ですが、一昨年にモーリス・ホワイトの最後の勇姿を拝んで以来、このバンドの魅力はすっかり薄れてしまったような気がしてなりません。このバンドはやはりモーリスのバンドだったのです。今回も期待していなかった通り、フィリップ・ベイリー一人ではヴォーカル的に荷が重すぎると思いました。シェルダン・レイノルズもなかなかモーリスっぽい声を出してくれますが、その歌もグルーヴ同様もたり気味で、御大ほどではないのです。ラルフ・ジョンソンも年のせいか最後のコンサートの時のモーリスのように声帯がつらそうで、あんなすばらしいヴォーカルを誇っていた往年のEW&Fを知る者として悲しくなりました。

 加えてバンドメンバーも数人が代わり、なかなかがんばっていたソニー・エモリーのドラムも聴けません。なんてったってDJまでいるんですよ!今まで「Let's Groove」のイントロのボコーダー部分はレコードの名演を再現できないのが常でしたが、今回に到ってはDJが演ってるのでそりゃ完璧な再現でした。が、バンドってそれでいいんでしょうか。これも時代なのでしょうか…。 そして、曲構成も進行も流れのないバラついたもので、例えば「Jupiter」が聴けたりしてお得なんだか。しまいにゃフィリップ・ベイリーは「イージー・ラバー」を歌う始末。いやぁ、まさかこの曲が生で聴けるとは思いませんでした。別の意味で感動的ではありましたが。あぁ、真のリーダーを欠いたこのバンドはどこへいくのでしょうか。

 ところがそんな中で何一つ変わらず輝いていたのが、そう、ヴァーダインなのでした。彼はいつも以上に激しく動き、かっとばしていました。(彼の踊りながら弾くベースプレイについては過去のこのコーナーで一度書いていますのでご確認ください。)それはあたかも、モーリス無きこのバンドをなんとか自分の力で支えようとしているかのように、無茶なほどぶっとんでいました。
 もっとも、バンドがライトになった分、ヴァーダインのベースがより引き立っていたのかもしれません。それは、録音が良いとされる大作「FACES」で聴けるあのブビバビとした図太すぎるベース・サウンドに近いと感じました。EW&Fもおしまいかと思えるような時代になって、ここであの全盛期最後の頃のサウンドが味わえるのはなにかとても救われた気がしました。たまらないっす!会場も相性良かったみたいで、かつて武道館や代々木競技場あたりじゃベース・サウンドはファットになってしまってよく聴けなかったのに、国際フォーラムAホールの音響設備とはマッチしているように感じました。それともミキサーさんの腕なのでしょうか。

 そして、やがて注目すべき出来事が始まりました。なんと今回、彼はベース・ソロを披露したのです!えっ!?彼のベース・ソロはあの名盤「灼熱の共演」でなんだかよくわからないのが聴けるぐらいで、通常コンサートではそれらしいものを演ることはまずないのです。これはすごいことです。今回私も始めて目のあたりにしましたよ。現在のキーボーディストであるモーリス・プレジャー(こいつも意外やそこそこ弾ける!)がベース(改造ジャズベースでしょう)をもう一本持って二人でステージに立ち、そんれはそれはハイテンションなツイン・ベース・ソロを、たっぷり4〜5分は聴かせていただきました。途中エモーションズの名リフも混ぜたり、故バーナード・エドワーズの名リフも混ぜたり、クイーンの「ANOTHER ONE BITES THE DUST」ありと、やや現代のサンプリングの流行を意識した懐古的な展開ではあったもののサービス精神に満ちた展開で、よくあるテクニックひけらかし主義のベース・ソロとはひと味違いました。そしてやっぱりヴァーダイン、音が太すぎます。ピッキング強すぎます。モーリス・プレジャーがハイファイで小綺麗なコンテンポラリーテクニック指向だった分、やっぱり最後に勝つのは野生の力だと再確認しました。

 そればかりではありません。いよいよ大変なことが起きました。ある曲中でなんと、フィリップと、ラルフと、ヴァーダインの3人がステージから降りて、客席を歩き始めたではありませんか!私は幸運にも通路脇にいたのでおさわりすることができました。こんなことがあって良いのでしょうか。EW&Fはいったいどうなっちゃったのでしょうか。うれしすぎます。

 さて、楽器はおなじみのオレンジ色のヤマハ(だと思う)や、意外ともいえるなサドゥスキー(ハイファイ。バラードで使用していましたね。)を弾きこなしてました。しかし、終わりの方でふと見れば最近のアイバニーズ製のヴァーダイン・モデルが登場。本日の目玉はこのベースでした。上記の「FACES」の頃のサウンドがヤマハの音色とすれば、このアイバニースは彼のトレードマークだった白の'70年代製フェンダー・ジャズベース(ピックアップも白で統一。'69年製との説もあるが、私は'74年製説を信じて疑わない。実はアクティヴサーキット内蔵。)のサウンドに近く、その面影をかすかに匂わせるルックスもナイスでした。ちなみにこれ、私も持っております。ファンなら持っていて当然と思い衝動買いしてしまいました。こいつの3バンドイコライザーがなかなかで、バスを上げると例のフェンダー・ジャズベースの音色に似ており、ミドルをがっちり上げると「FACES」の頃(おそらくジャズベースではない。)っぽい音色も出ます。うーんなかなか昔のヴァーダインの音をよく研究して作ってあるなぁと感心しきり。おっと蛇足でした。

 そんなこんなで、失望もあれど、それを補おうとしているかのような我が目を疑うサービスもあり、結局は腐ってもEW&Fを観に来て良かったと思う甘いファンの戯言でありました。それにしても、今回の公演に来ていた人は非常に貴重な体験をしたのだと、気づいたひとは何人いたのでしょうかねぇ。

追伸。当ライヴの模様はNHKBSで放映されましたね。


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