使用中のペンタックスレンズ(でもFAシリーズ以降しか知りません)

 カメラ選びの条件でおろそかに出来ないのがレンズだと思うんです。
 ある日、英国留学中の方から絵はがきが届きました。そのはがきの写真は、自らの一眼レフで撮影した現地のスナップだという大変すばらしいもので、そこに写っている舞台が英国だからというアドバンテージを差し引いてもいつも見ほれる写真ばかりだったのです。そりゃあセンスある方だったのでしょうが、技術や道具も伴っていなければ撮れないはず。若い女性にしてはなかなかの腕前と感心したうえで、さて使っているカメラを聞くとMZ-5だそうで。ん〜、きっとレンズも高級タイプじゃないはずだし、それにしては良い写真だし…と、それ以来、ペンタックスのレンズ描写には一目置くようになりました。
 特にLimitedシリーズのレンズは好きですね。Limitedを使いたいが為にペンタックスを使っているようなものです。描写力も見事なのですが、なによりこのレンズで撮っているというだけでキブンのノリが違ってきますもんね。
 性能的には伝統的に優秀なコーティングが特徴です。コーティング技術はメーカーによって差があるようで、ペンタックスは逆光にめっぽう強いと定評があります。そのうえ、必ずコンパクトさを忘れずに造っているようですし、だいたいの製品は手の届く値段にしてありますし、…ペンタックスユーザーで良かったといつも思いますよホントに。

以下、順番はめちゃくちゃ。


FA☆Zoom 28-70mm F2.8

 かつて旅行用にレンズ一本ですまそうと思い手に入れたのですがまー甘かった!これ一本でもバカみたいにボリュームがあるしヘビーだったので結局大荷物ですよ。このように見た目は大げさですが、実はそれはお椀のようなビッグなフードのせいで、鏡筒自体は思ったよりコンパクトです。近年は花型フードが流行なのでこういう野暮ったいフードはちょっとはずかしいですけどもう吹っ切れましたね。それに利点もあって、フード内の鏡筒が伸び縮みする構造なので、レンズ全長が変化しないように見えるのが良いです。鏡筒自体は猛烈に重く、ガラスぎっしりの妥協ない構造を予感させます。シルバー塗装のせいでプラっぽく見えますがしっかり金属鏡筒なのです。難点はそのシルバー塗装がすべりやすいので、レンズ交換時に注意が必要なところです。
 写りは、フィルムでは非常にクリア!解像感充分、繊細で上品。微妙な色再現性もすばらしいです。色乗りは24-90mmやLimitedレンズなどと比べるとさらっと乾いた感じで押しつけがましさが無く、例えるなら昆布だしの味わいかな。開放近辺で調子に乗っているとそっけないあっかるい写真になりがちでした。その反面、軽くアンダー気味の時は最高にすばらしい。ボケが良くさすがスターだけのことはあります。周辺光量減は広角側でも一切不満なし。歪曲は広角側でややタル型ですがズームなんて良くてもこんなもんですよね。

 ただしデジタルで撮ると、持ち前の解像感や繊細さがいまいち伝わってこないのはなぜだろう…。ピント合わせもなかなかシビアで苦労します。


FA Zoom 24-90mm F3.5-F4.5

 実はMZ-3を使ってた知人から借りている物です。このところその知人もMZ-3に全く興味ないようで、今ほとんど私の物みたいです。全身プラ製で安っぽいです。軽い利点があります。フードが良くできててそこらの花型フードとは違い、楕円形でレンズキャップの付け外しができる優れものです。
 写りは、フィルムでは線が太く、非常にがっちりしっかりして男性的。色がグッと濃い。上記の28-70mm F2.8よりコクがあり、ついでに潤いもある。24mm側の歪曲もあるにはあるがさして気にならない程度です。名玉でもなんでもないけど好きなズームですね。

 デジタルだと本来の姿である、硬くきめ細かい正体が表れてきます。シャープでキレがありデジタルとの相性はかなり良いと思います。フィルムとは一変するのが不思議です。また、特にピントが良いレンズだと感じます。画角は私好みで散歩スナップにはベストですが、一般的には広角不足になるはずです。


FA Zoom 80mm F4.5-320mm F5.6

 これまた知人から借りっぱなしの、MZ-3ダブルズームセットについてきたおまけ系望遠ズーム。世評はなぜか良くないです。私がフィルムで撮って見た印象では文句言うほど悪い画質でもないしむしろ便利さが勝って良いレンズだと思ってましたが、デジタルで使ってみたところ世評が正しい事がわかりました。以後、怖くて使わなくなりました。


FA Macro 100mm F2.8

 かつては世にあるマクロレンズのなかで最も悪評高い不名誉なレンズでした。その理由はヘビーな重量と、350mlドリンク缶のような独特の鏡筒デザイン、そして扱いにくい操作性のためです。酷評もやむをえないとは思いますが、それは決して描写によるものではありません。
 その写りには一切の不満がない大好きなレンズです。発色には深みがあるが暑苦しさは皆無。コントラストも誇張なく自然。浅い被写界深度から生じる大きなボケは大変なだらかかつファットで理想的。合焦部分の像がシャープなのは当然とはいえ、このレンズの場合極めて繊細な表現なので、硬質な描写にはならないのが私の好みです。しかもこれらの画質はデジタルで使っても同じ印象だからたまりません。ただし、100mm前後はマクロレンズとしては王道を行っていて使いやすい画角だったのですが、APS-Cのデジタルではよりいっそう望遠となり相当考えて使わねばなりません。その意味では後で書くD FAマクロ50mmの方が出番は多くなってます。


FA 77mm F1.8 Limited

 ずばり名玉の中の名玉のひとつだと思います。かつてMZ-Sを買ったとき同時に買った当時の人気レンズ。逆を言えばこれが使いたくてペンタックスのカメラを買った私でした。アルミ削り出し鏡筒によりわざわざ質感を高めた「リミテッド」という傑作シリーズの中のひとつです。見た目だけではなく強力な描写力も売りです。優等生すぎるほどの数値設計レンズが多い中、感覚的な味を追求した豊かな絵作りが特徴で、あたかもクレイモデルの手作りのファジーな良さに通じると思います。もちろん数値的にだってぬかりはなく、しかも驚くほどコンパクトに設計されていてありがたいです。
 描写的な特徴はなんといっても柔らかなボケでしょう。フォーカス部分以外の前後空間にはこのボケが画面を被い占めます。色も、他のレンズより魔法の味付けをされているわけないと思いますが、どういうわけかウソのように美しく(笑)、時にムンムンと色気すらある気がします。そうしてできあがった写真を見ると人間の気持ちいいところを突いてきている官能的な写りとなります。現実以上の世界。まるで印象派の絵。もう誰が撮ってもそれなりに良い写真になるでしょう。持っていることや使うことがうれしくなるめずらしいレンズです。他人にも真っ先にすすめたい一本。写真家の価値や性能ではFA☆85mmの方が良いらしいけど(いいなぁ、持ってない…)。

 デジタルで使っても変わらない写りをしますが、焦点距離がなんと118mmにもなってしまいます。ひぇ〜。おのずと出番が減ってしまうのが残念です。


FA 20mm F2.8

 FAレンズでは最広角。さすがに20mmともなるとファインダーをのぞいただけでかなり楽しめました。なるべく被写体に寄るのがコツ。それによってテーマを切り取ることもできると思います。唯一の問題はディストーションで、画面の長辺側に沿って平行に直線物を捉えるとタル型歪曲が目立ちました。これが嫌なら、ツァイスのビオゴンでも買うしかないけど、値段もかなり違うからね。

 2003.5 私よりたくさん可愛いがってくれそうな方のもとへ嫁いで行きました。その方はきっと重宝することになるはず。つまりデジタル時代になれば最後に笑うレンズだと思います。


FA 31mm F1.8 Limited

 77mmの所でも書いたリミテッドの第3弾にして広角版。誰もが各自個別のフィーリングにある焦点距離というものがあって、特に広角側は個人差があると思いますが、私の場合フィルムでの31mmは全然フィーリングに合わないんです。使ってみてよくわかりました。この画角はスナップにおいてはどうもうまくコントロールできない。感覚的には35mmのファインダーがリファレンスですぐ頭の中にセットされるのですけど、気が付けばなんかちょこっと余計な物が入ってしまうんですよね31mmって。非常に難しい。スナップ的には35mmの方が整理されていて使いやすいんです。広角なら28mmの方が好きですしね。ただし人物、特に顔を撮るときだけなぜか撮りやすいんですが、私はポートレート写真は撮りません。じゃあなぜ買ったのか。それは見た目がかっこいいから(笑)。リミテッドの魅力とは描写力もさることながら、外観の質感の良さもあると思ってます。31mmは特にイカス。
 肝心の描写力については、世評はすこぶる高く、プロ評も最高。良いに決まっているとたかをくくって結構です。写真を見ると同じリミテッドでも77mmほど柔らかい印象派の画作りではなく、緻密な解像感がありシャープで、すこーしさっぱりしているようにも感じますね。わりと何事も正確に写ります。ボケについてはとってもシックな感じです。非常に落ち着いていて驚くほど癖がないボケ味です。意外と珍しいことです。硬い光のもとでも背景がうるさくならないのがありがたいです。広角ですが立派なポートレートレンズだと思います。

 人間万事塞翁が馬とはよく言ったものでこの苦手なレンズがAPS-Cデジタルでは非常に使いやすいレンズに化けました。47.5mmの画角に変化したとたん標準レンズになりました。得意のシャープさもデジタルと相性がよく、あの繊細だったFA☆Zoom 28-70mm F2.8より遙かに勝るとは…参りました、私が愚か者でした。おまけに接写にも強いです。接写時はボケの良さが背景の整理に役立ちます。やや大柄なK10Dに取り付けた姿もとても似合います。持っていて良かった〜!


FA 43mm F1.9 Limited

 初代リミテッドレンズ。当時、パンケーキレンズのリバイバルが流行ったのでウケを狙ったのか、かなりコンパクトに設計されています。とはいえ、しっかりとしたねじ込み型フードが付くとパンケーキという印象は全然ないですね。カメラに付けた時のキュートなプロポーションがまたすばらしい。このレンズが大当たりしたので、リミテッドレンズがシリーズ化されたのです。はっきりいって、ペンタックスを使っていてなにが良いって、リミテッドレンズが使えるのが良いのですから。リミテッドだけ持っていてもかまわないと思うほどです。
 私はフィルムだと50mmの画角が好みなのですが、多くの人の場合は50mmより43mmのほうが扱いやすい画角ではないでしょうか。画面にあとちょっと入れたい物が入りますからね。
 写りの方は個性的です。輝度がまろやかで、艶消しっぽい、もっと言えば塗り絵のようだなと感じる時があります。具体的にはぎらぎらてかてかぴかぴかとげとげしくないというかなんというか(笑)…ハイライトが硬くない。階調の変化がスムーズなんでしょうか。明順応の利いた肉眼の印象に近いのではないかと思います。合焦部分も輝度による硬さにだまされることなく自然で細やかですが、決して肉眼以上のディテールを捉えたりはしません。例えばいかにも高性能レンズを通しましたみたいなコントラストや鮮鋭さの人工的な誇張が無く、ウソのような透明感も無いです。マクロレンズとは対極的なリアリティがありますね。ボケはこれまた独特で味わい深くて、輪郭を崩さず背景を溶かさず情報を伝えてくるにぎやかなボケです(二線ボケだと嫌う輩もいるようですがちょっと違う気がします)。うるさめの背景の時はまるでモザイク画や切り紙絵のようになり、ハマると面白いです。

 性能的にはデジタルでもイケます。持ち前の繊細な正体がより表れてきます。特にFA系の中ではピントがかなり良い方だと思いますが、DA系のような切れ味鋭い合焦表現は絶対無いので、逆に使い道があります。50〜60年代のドイツ製レンズみたいな写真が欲しい時に使う、と言ったら大げさでしょうか?ただし画角は半端な中望遠一歩手前に変わるので急に難しくなりますね。私のように近距離で小動物を撮ったりするには良いのですが、一般撮影では使いにくい画角になると思います。


FA 50mm F1.4

 私は昔から50mmの画角が大好きでしたが、デジタルでは75mmぐらいになってしまうのでやや違和感のある使い心地です。でもF値が明るいので屋内での出番は多いですね。今、野外ではあまり使わないです。だからおのずとあまり絞らず使う羽目になります。そのためわずかにフレア気味の描写になることが多く、ピントも薄く(合わせるには苦労しますが)、とにかく優しい写真となります。フォーカス部分こそきめ細かい正確な描写ですが、そこ以外のアウトフォーカス部分の柔らかさがあまりにたっぷりとあるので、同じ50mmなのにD FA Macro 50mmとは印象や使い心地が激しく異なります。43mmとも似てないですね。色は誇張がなくて彩度が低めです。やはりフレアっぽさが少しあるからなのでしょうかね。結局何を撮ってもふわっと穏やかに写りますね。こういうのはカメラオタは文句を言いますが、個人的には味のあるオサレな写真です(笑)。白い物は真っ白に写るので、例えば光源が背景に写る時はその部分こそ白飛びしやすいですけど、それでも派手なフレア発生やコントラスト低下は起こりません。用角形フードを付けて喜んでおります。


D FA Macro 50mm F2.8

 私はマクロレンズが大好きなのですが、デジカメになってから上記の100mmが遠すぎて、しかも重すぎるからとても使いづらく思ってました。そこで、デジタル対応の50mmマクロを入手しました。これは非常に便利ですね。絞り込まない限りボケなどは従来通りまったく不満なく気持ちよいのですが、問題はピントのあった所ですね。さすがデジタル対応品だけあって細かいところまで拡大してもシャープだし、雑味が一切無いクリアーな写りです。最近のペンタックスレンズの新機構であるクイックシフト・フォーカス・システムについては全カメラメーカーのレンズのフォーカスリングと比べても一番のフィーリングではないでしょうか。


DA 14mm F2.8 ED(IF)

 デジタル専用の超広角単焦点。フィルム換算21.5mmというから、私はやはりあの20mmの感覚が忘れられなかったようです。シャープできりっとすかっとクリアなのはデジタル専用DAシリーズでは共通ですが、FA20と大きく違うのはディストーションの少なさです。かえって不思議な世界になりますね、ただし、易しいレンズではないといつも思います。何事も四隅にのびる感じですから歪曲が少ないとはいえ注意が必要です。それから、太陽が入れば当然ゴーストやフレアも表れますし、相変わらず自分のつま先が写ってしまう危険性があります。ここまで広い画面になると偏光フィルターの使用も簡単ではありません。気を引き締めて使っていこうと思います。得意なのは狭い場所での撮影で、特に室内では非常に重宝してます。私の四畳半の部屋が狭く見えないんです(笑)。


DA 50-200mm F4-5.6ED

 はっきり言って私は良いレンズだと思います。今一番出番が多いのはこの望遠ズームかもしれません。おかげでレンズの中はもうチリ・ホコリだらけです(笑)。だってデジタル専用で、ここまでコンパクトで、画角はフィルム換算76.5〜306mmですからね、散歩中に身近な小鳥などをぱっぱと撮るには最適です。ホントの野鳥マニアの撮影とは全然違うお遊びの世界ですけどそれが楽しく簡単にできるとあればいいじゃないですか。また、私がよく行く野外コンサートで友人のバンドを遠目から撮影したりする時には重宝してます。手振れだけには気をつけないといけませんが、K10Dでは高い確率で心配無用です。特に高級なレンズではありませんが、性能的には近頃のレンズですから、先述の80-320mmのような大味な写りではなく、細かいところまでそこそこ精密にとらえてくれます。ちなみにSIGMAのデジタル用55-200mmも持ってますが、単に切れ味だけならSIGMAはこっち以上にぴりぴりにシャープで素人目に高画質に感じると思います。こっちは悪く言えば線が太いとも言えましょうが、あっちより律儀でかつ力強さはありますね。劇画タッチというか(笑)。被写体の存在感を強調できるのは案外便利なものです。


DA 21mm F2.8 Limited

 デジタル専用のリミテッドのひとつ。当初これを含めたパンケーキレンズシリーズでしたね。でも私が持っているのはこの21mmのみ。既に43mmと77mmを持っているので40mmと70mmは被るから要らない、14mmの手前の広角単焦点なら欲しい、というわけで入手。四角くくりぬかれたフードのデザインも心惹かれた点でしたね。DAになってからリミテッドの特徴は魅力ある鏡筒デザインだけになったような気がします。描写に関してはFAのリミテッドと違って「味わい」というほど個性的ではないように感じますね、普通に優秀な描写(なんだその表現)。きめ細かくシャープでクリアでディストーションも少なくて、性能的に一切文句無しです。携帯性はずば抜けていてスナップ派には絶対おすすめです。私もカメラバッグに必ず入れて持ち歩いてます。
 でも個人的にはフィルム時代に苦手だった画角31mmに近いのね(笑)。そこだけが自分で意識してがんばっている点です。どうも私はフィルム換算24~8mmぐらいの広角なら感覚に合うみたいなのです。特にかつてCONTAXの25mmは大好きでしたから、もしも将来DA15mmが手に入ったらこれの出番はどうなるかわかりません。


DA★ 16-50mm F2.8

 画角は24-75mm相当ですが、立場的にはFA☆Zoom 28-70mm F2.8のデジタル版でしょうか。あれほどじゃないけど充分重いです。これで撮るとなぜか色の良い写真が多いように感じますがたぶん偶然でしょう(笑)。AFは待望のペンタックス初の超音波モーターですが、私のはたいして使っていないのに一回ギヤが破損して修理しました。その後は順調です。
 私は暗いライブハウスで友人のバンドを撮影する機会が多くて、そういう時に大活躍するレンズです。


DA 35mm F2.8 Macro Limited

 リミテッドでマクロとは、これは買わないわけにはまいりません。個人的にとっても信頼感のあるレンズでかなり好きです。マクロ特有の正確さやキレはもちろんあるんですが、全体的に重い描写で、濃色・コク傾向。なんというか絵画的。しかも油彩っぽい(ただしコテコテではない)。特にシャドーがずっしりしててたまらなくかっこいいです。なぜだかわかりません。ボケもすごくきれいでどこか77mmに通じる。DFA50mmマクロ、FA100mmマクロ、そしてシグマの50mmマクロもよく使いますけど、この35mmが一番「絵になる」写真が撮れる感じで、まぁどういうわけか腕前以上の写真になります(笑)。 昔はこういうレンズは…色傾向は違うけどマクロプラナーとかね…この値段じゃ無かったです。しかも小さくて軽いんですよ。良い時代だと思える数少ないひととき。 ペンタックスを使ってる人は是非手に入れた方が良いです。


DA★ 55mm F1.4

 FA☆ 85mm F1.4のデジタル版でしょうか。薄くてきりっと冴えたピントが特徴だと思います。その合焦部分の輝度の表現などは硬さこそなけれど43mmのそれとは完全に対極的でむしろマクロレンズに近いリアリティ。でもきりっとするのはそこだけ。全体には非常にきめ細かく柔らかなクリーム系の描写ですね。他のレンズに比べどこか「しっとり」とした風合いに写るように感じますし、色もくすまず、シャドーも濁りなくきれいに見えます。ただし、印象派の絵画という感じはありません。肖像画の雰囲気です。そのため77mmとは使い分けてます。また、明るさを生かして私は室内でよく使ってまして、その際はフードを付けてないんですが、それでもFA50mmのようなマイルドな描写にはならずきちんと濃く写ります。このレンズからペンタックスはコーティングを新しくしたそうですがそれが良いのでしょうか。それにしても77mm同様にこのレンズもペンタックスのAFで狙ったところに合焦させるのは大変です。がんばって使えということですか(笑)。ボケについては、誰かが硬めのボケだと言ってましたが私はあまりそうは感じません。77mmみたいに水中にいるようなトロっトロの幻想的なボケではなく、空気感があって距離感が感じられる…なんて言葉でうまく説明できませんが独特のボケ方だと思いますよ。同社初の円形絞りですが、点光源がまん丸なのはやはりいいものですね。
 よく「立体感のある写り」なんて表現がありますけど、私の所有レンズの中で一番立体感があるのはこのレンズです。3D立体写真のような不思議な描写だと思います。例:似た場面を撮ったSIGMA50mmF2.8DG MACRODA★55F1.4の比較。WEB用の小さな画像でどこまで伝わるかわかりませんが…


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