フォクトレンダー ビトマチックIIb

 本機はある日突然シャッターチャージしないトラブル発生してしまいました。購入店に修理を依頼したところ、故障した部品の入手困難のため返金扱いとなってしまい、私の元から去っていってしまいました。おかげで、写真がありません。

入門機?
 かつてのドイツの名門フォクトレンダー社の晩期に造られたのがこのカメラ。ファインダー(ピント合わせ等)も見やすいし、巻き上げもしやすいし、露出計(セレン)も結構あてになるし、…とにかく操作が簡単で実に使いやすいカメラです。しかも見た目がゴロンとしていて第一印象可愛すぎます。そんな女性ウケしそうな外観とは裏腹に、そのレンズは意外なほどすばらしい描写をします。ですから、古いカメラで写真を撮り始めたいという方に、私が真っ先にお奨めしたいカメラです。

ボディ
 カメラ界史上最高のフォクトレンダーのメッキにより、こてこてに輝いております。
 最も感心するのはファインダーブロックに仕込まれたセレン受光部のデザイン処理です。その存在を巧みにごまかされていてナイスデザイン。普通はセレン受光部といえば虫の複眼のような透明プラスチック製であることが多く、ぽこぽこアレルギーの私的には割と美しくない部分なのです。昔、親父がオリンパスのXAではなくてXA1(安いほう)を買ってきたときはショックでした。この複眼みたいな気持ち悪い部分はなんなのだ、と。
 軍艦部には上端に露出計バックライト光源用の乳白色プラスチックでできた丸窓があり目立ちます。大きなガラスブロックによるファインダー周辺のデザイン、レンズ鏡胴デザイン、メッキの掛けっぷり等々、すべての外観を総合すると全体的にアールデコの強い影響が見て取れます。フォクトレンダーの製品すべてにいえることはメカニズムの独創性といわれますが、晩期の製品は同時にこのように外観が美しいです。これで、本革製の茶色い速写ケースに入れて首から提げちゃうと、もうおしゃれ以外のなにものでもないです。

操作
 ピント合わせはファインダー内の黄色っぽい二重像をずれなく合わせることで合焦させます。レンズ鏡胴にピント合わせのためのヘリコイドリングがあります。
 露出はファインダー内に針と丸針の2本針の交差により表示され、レンズ鏡胴部ヘリコイドリングと並ぶ絞りリングとシャッター速度リングを回して合わせます。単純でわかりやすいです。
 巻き上げはボディ背面のプレス加工されただけのシンプルなレバーによるもので、感覚的にはトリガー巻き上げを裏側に水平に設置した感じです。これは意外と使いやすいもの。レバーを戻すときは、うっかり指を離してしまうとスプリングの力でパシャーン!と戻りますが、やめたほうがよさそう。そーっと指を離さずに戻した方が良いでしょうね。
 シャッターレリーズボタンはなんとボディ前面に角形の突起状のものが用意されていて、これを垂直下方向に押します。この位置とその押し加減が、私には違和感ありました。晩期フォクトレンダー製品にはこの位置のものが多いのですが、けっこう深いストロークで下に向かって押し切るしくみのため、レリーズぶれしやすいように思います。ただし静かなレンズシャッターなのでメカの振動はほとんどありません。慣れればぶれなくなりました。

レンズ
 私のビトマチックはII bというタイプでカラー・スコパー50mmF2がついています。その描写を一言で言えばクッキリとしています。きりりと硬い描写で、合焦部分のシャープさが気持ちよいです。一方、発色はこってりと濃く鮮やかなため、結果として、硬いだけの絵にならず、目が良くなったような鮮鋭な写真を楽しめます。被写体としてはやはり硬くてしっかりした物などが得意です。例えば、町並みというより街角の店の壁や看板などを撮ると抜群の相性を感じます。和風建造物などの貫禄ある木目もいい感じに写ります。

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